作品名: | 「巳」 |
制作者: | 池田 満寿夫 |
略歴: | 1934年満州生まれ。戦後、長野県に引き揚げた後に油彩画家を志し、東京芸術大学を受験するも3度失敗して進学をあきらめ上京。その後、似顔絵等を描きながら独自の創作活動に入りました。1959年に画家の瑛九に出会い、そのすすめで彩色銅版画の創作を始め、当初はエロスあふれる表現の版画で、それは世界各地の国際版画コンクールで受賞をかさね「版画の池田満寿夫」の名を確立しました。多方面に才能を開花させた池田満寿夫は、小説「エーゲ海に捧ぐ」で芥川賞、同名の映画も監督。さらに彫刻、作陶と、表現の幅を大きく広げていきました。しかし1997年、静岡県熱海にて惜しくも63歳の若さで没しまし |
緑を主にしたユーモラスで元気な雰囲気をかもしだす『蛇』をモチーフにした版画は、多方面で才能を発揮した池田満寿夫氏の手によるものです。蛇は古来、人に恐れられていた反面、神の使いや大地の主として崇められ、神話や伝説に多く登場してきました。この愛らしい蛇の版画は、いかにも池田満寿夫らしい自由潤達さにあふれています。
彫刻家 望月 菊麿